通信会社の職員を名乗る男から「サイトの未納料金がある」などと電話を受けた徳島県内の50代女性が、詐欺を疑って交番で相談をしたのに、警察官が詐欺と見抜けずに30万円をだまし取られた事件があった。県警が16日、発表した。
県警によると、14日午前10時ごろ、NTT職員を名乗る男から女性のスマホに電話があり、通話状態にしたまま銀行へ行くように指示された。女性はその道中で詐欺を疑い、阿波吉野川署の阿波交番に立ち寄って20代の男性巡査に相談した。
巡査が電話をかわり「警察です」と伝えたが、男から「本人でなければ言えない」などと言われ、女性にスマホを返したという。女性はその後、阿波市内のコンビニのATMから30万円を振り込んでだまし取られた。
交番には40代の男性警部もおり、警部が「いけたのか」ときちんと対応できたか尋ねたところ、巡査は「いけました」と答えていたという。
女性は同日午後、銀行のATMから50万円を振り込むよう指示する別の電話も受けたが、行員から「詐欺ではないか」と指摘され、被害に気づいたという。
阿波吉野川署は16日、女性に謝罪をした。県警生活安全企画課の担当者は「警察官が詐欺に気づけず、被害を発生させてしまい極めて残念。指導を徹底したい」と話している。